アバクロのCEOマイク・ジェフリーズ氏は、太った客には同ブランドの服を買ってほしくなく、細く、美しい客しか求めていないと、共同著書「ザ・ニュー・ ルールズ・オブ・リテイル(原題) / The New Rules of Retail」のためのインタビューでBusiness Insiderに語っている。http://ethicalive.jp/test/jy_columns/wp-admin/options-writing.php
出典:ニコニコニュース(http://news.nicovideo.jp/watch/nw610555)
ジェフリーズCEOはリミテッド参加で業績低迷に苦しんでいたアバクロのMD路線を大きく転換させることで成功し、業績を立て直した。 そのアバクロが現在GAPやH&M、アメリカン・イーグルなどの低価格型カジュアルに押されて支持率低迷、業績悪化で苦しんでいる。
このような背景の中で、ジェフリーズの「デブに着て欲しくない」発言なので風当たりは強い。現実にアバクロではその考え方を踏まえて、Xサイズ以上の大きさの女性服は作っていない。名実ともに、肥満女性を排斥している訳だ。
この発言は大きなニュースとなり、肥満を差別する発言として、女性だけでなく多くの男性からも非難されているようだ。
この肥満だがアメリカでは社会問題となっている。成人人口の67%が太り過ぎまたは肥満と言われており、BMI30以上の肥満人口比率は30.6%と日本の3.2%に比べて10倍にも登っている。実際、アメリカに行くと150キロ級の人をたくさん見かける。
引用; Wikipediaより
仮にこの肥満率がアバクロの選択基準だとすれば、アバクロは低く見積もっても1/3以上の市場を切り捨てたことになる。
この発言によって、多くの批判を受けながらもアバクロは何を見返りに獲得したのだろう?
アバクロがターゲットを限定して明示することで
1つ目はこれまでの普通の購入者をブランドから選ばれた顧客にした。そして、アバクロは選ばれた顧客からの高い支持率を獲得したはずだ。
2つ目は、ブランドのエッジを効かせたこと。GAPともH&Mとは違うポジションに自らを引き上げたこと。
3つ目は、つながった顧客はブランドのメタファーとしてブランドの広告塔となること。
そして、アバクロは顧客とつながったわけです。
更には、低所得者には肥満が多いというとデータがある。つまり、切り捨てた客はもともとターゲットではなかったということ。アバクロにとっては、切り捨てても市場は毀損していないわけだ。
今回の一言だけではないものの、アバクロは市場の一部を捨てることで、ブランドの価値を高めたはずだ。