月別アーカイブ: 2013年7月

ピンクのタイヤを履いたピンクのクラウンを見たことがありますか?

カラーサイドタイヤ

先ほど、運転しながら聴いていたラジオから「カラーサイドタイヤ」というワードが聞こえてきた。どうも、ブリヂストンが「色付きの車のタイヤ」を出したらしい。そういえば、もう何年も前に別のタイヤメーカーの人に「ピンクやブルーのタイヤを作らないのですか?」と聴いたことがあった。その時はタイヤが黒いのは強度を高めるためなので」との返事だったと記憶している。

ブリヂストンの川合氏は、「そもそも“タイヤは黒い”という常識があるが、1910年式T型フォードに使われていたタイヤは黒くなかった。その当時のタイヤは剛性が低かったが、 1912年にカーボンブラックによる補強技術が生まれ、このころから一斉にタイヤは黒くなった」とし、カーボンブラックによる補強技術が生まれて以降、 100年間はタイヤは黒いものという常識にとらわれていたと説明している。(出典;http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20130612_603414.html

更にその説明によると、ゴム自体に色を付けるのは老化防止や重量の点からメリットよりもデメリットの方が大きいようだ。そのため、「カラーサイドタイヤ」はゴム面にカラー印刷する技術でタイヤにカラーリカラータイヤングしている。

このカラーサイド技術によるタイヤは2013年10月1日より発売され、今後は下の写真のような様々なデザインにも対応する計画のようだ。

カラータイヤデザイン2

カラータイヤデザイン1

 

黒いタイヤでは「カワイイ」という形容詞は絶対に出てこない。100年間にわたり、真っ黒だったタイヤにカラーリングタイヤが出ることはこうやって言葉で書く以上にデザインの自由度とインパクトを与えると思う。

ピンクのクラウン、発売へ 特別仕様車を9月限定受注

トヨタ自動車は9月に高級セダン「クラウン」で、ピンク色に塗装した特別仕様車の注文を受け付ける。昨年末に14代目の新型クラウンのキャンペーン用でつくったところ、女性を中心に好評だったため、一般に売り出す。ピンク色を使うのは1955年のクラウン誕生以来、初めて。(出典;http://www.asahi.com/business/update/0726/NGY201307260011.html

ピンクのクラウン

というから驚きだ。今まで発売していなかったらしい。あれだけプロモーションでインパクトを与え、これまで全く無視されていた若い女性からも注目を浴びていたのに、「ピンクの実車」を発売していないなどトヨタの宣伝担当者の大きなミステイクとしか言えない。TVCMで訴求したカラーリングの車は発売初期には実売よりもプロモーション効果を狙ってある程度の台数は実車として走行させたいのではないか。できれば、若い女性限定や60代以上の夫婦、あるいは大企業の経営層などの拡散効果の高い人に乗ってもらいたい、のではないか。
もう、すでにあのTVCMのインパクトはなくなってしまっているだろう。もったいない。が、まだ遅くない。トヨタが弱点である若い層やアグレッシブな60代以上に刺さることを期待したい。

「赤い車」は好景気の旗印?!

車の色の話を書いていて、つい2,3日前に会社で同僚が「赤い車は景気が良い時に売れる」という話をしていたことを思い出した。その時はバブル期の「マツダのファミリア」は赤い色でずっとプロモーションしていて、実際に見かけるファミリは圧倒的に「赤」が多かったような気がした、という昔話だった。少し検索してみると日経プラスワン「エコノ探偵団」〝今春は明るい服がブーム 流行色は景気と関係あり? ”(2013/5/18付)によると、『マツダが12年11月に発売した乗用車の新型「アテンザ」は4月までに国内で1万5千台を売るヒット。このうち新開発の深みのある赤「ソウルレッドプレミアムメタリック」の車体が2割を占める。
広島県のマツダ本社に出張した明日香に、国内営業本部の大山卓さん(52)が力説した。「日本の乗用車販売は通常、同一車種で赤色が1割以下。赤いアテンザの人気は景気と無関係でないでしょう」』
とのこと。アベノミクスで景気が上向きになり始めたといわれている時期に「赤い車」が売れているのは偶然だろうか。前出の日経記事の結論としては「色と景気の因果関係はハッキリしない」とのことだが、こと車の色と景気に限っては結びつきがありそうだ。

近いうちに「ピンクのタイヤを履いたピンクのクラウン」に遭遇すると、なんかとてもうれしい気持ちになりそうだ。

 

(2013/8/31追記)

昨日のYahooニュースによるとTOYOTAはピンクのクラウンを発売するようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130830-00000042-rps-ind

世界一有名なデータ・サイエンティストの話を聴いたので

セミナーで「SEXY LITTLE NUMBERS(邦題:データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」)」の著者ディミトリ・マークス氏の講演を聴いたので内容メモをまとめる。 ディミトリ・マークス氏はNYCのOgilvy & Matherの分析チームにおり、現在は同社のダイレクトマーケティング部門 ( Ogilvy One )のNY支社を率いるデータ・サイエンティストである。

2013-07-23 18.54.25

 

 

 

彼の著作の中から抜粋してデジタル・マーケター向けに抜粋して話をしてくれたので、”超”ダイジェストととも言える。

講演テーマは、

『デジタル・マーケターの5つの間違い』

である。

1、  分析はするが実行はしない

ソーシャルリスニングをやっていますか。
→ Yes、リスニングは簡単でいろいろやっています。
→ ソーシャル分析をして、Next Actionはしていますか?
→ No.何もやっていません。
・・・・という企業がとても多いです。

<分析>

シーザーズホテル(ラスベガス)は旅行レビューサイト、トリップアドバイザーから自社のホテルに高い評価をしているレビューを定期的に購入して、そのデータ(テキストデータ)を分析していた。その結果、自社のホテルを気に入っている理由として窓から見えるラスベガス大通りの景色や向かいのホテルのべラジオの噴水があげられていた。

 <Action>

WEBサイトに部屋から見える景色の写真を掲載した。

 <Result>

WEBでの予約率を向上させ、広告予算を削減した。

 

2、  過去から学ばない

様々なクリエイティブの選択肢がある中でどんな選択をしているのか?
→ 一番目立つものを選んでいますか?誰が選択しているのですか?
→ クライアントが選んでいます。
→ 顧客に聴く、クリエイティブ・テスト(A/Bテスト)を行う努力を怠っている

 事例1) アメリトレード証券のランディングページのデザイン改訂業務、 目的はコンバージョン率の向上

<テスト>
変数(パラメータ)の組み合わせを変更して、243通りのLPを制作し、15日間を掛けてテストを実施

<Findings>
●コンバージョンボタンのカラー:
「グリーン」が最適(全体がグリーン基調のデザインでボタンが目立たなくても)で、「オレンジ」は危険のイメージがあるためにコンバージョン率は高くない

●コンバージョンボタンにつけるワード:
「今すぐ申し込み」より「始めてみよう」の方がよい

<Result>
コンバージョン率は15%向上

事例2) obama.comのページの改訂

<テスト>
多変数テストの実施

<Findings>
1. クリエイティブの最適化:
大統領らしい雰囲気のあるクリエイティブ
→ 家族的雰囲気を前面に出したクリエイティブ
2.ボタンのワードの変更:
サインアップ
→ 詳しく知る

<Result>
・28万人の新しいボランティアの獲得
・5700万ドルの追加資金の獲得

 3、使うべきデータを使っていない

 あなたの周りにマーケティングの意思決定に際して、使われずに埋もれているデータはありませんか?
そのデータが有用なことに気づいていますか?
ex. 車の修理履歴のデータベースは使われていない

  1.  一般的にはビッグデータよりニューデータの方が面白い示唆を含んでいる。
  2. 余すところなくデータをリサイクルする必要がある。
  • B2Bのビジネスでは、購入意思を表すシグナルがWEBサイトの閲覧履歴に含まれている。例えば、IPアドレスなどであり、その名無しの訪問者の企業サイトをテキスト分析すると面白い結果がみられる。
  • 妊娠時期から出産、子育て期における検索語のデータベースから得られる示唆は大きい。

 4、地下室で費やす時間が多き割に執行役員室での時間は極めて少ない

データ・サイエンティストは、地道な作業を地下室のような陽の当たらない場所で行っている。データの分析をしてもそれが経営的意思決定に反映されていないことが多い。
→ 多分、日本の企業の方がこのような状況

 5、人生は一直線と考える

誰もが勝ちプランを持っている。顔面にパンチを食らうまでは。 by マイクタイソンつまり、何が起こるかわからない。その変化に備えておく必要がある。

アジリティ・マーケティングが必要だ。そのためにはOODA LOOP を常に回しておく必要がある。

OODA> Observe (観察)
> Orient (適応)
> Decide (意思決定)
> Act (行動)

 

 

 

最後に質問に答えて、データ・サイエンティストの育成法について

数学の好きな人にマーケティングを教えること
マーケティングの好きな人は数学は好きにならない

と言っていた。

広告業界において、今まではブラックボックスになっていた箱に、デジタル化の進行とともに多種・多量のデータが入っていることがわかり、その活用を図るようになってきている。
データ・サイエンティストに求められる能力は、まとめることと、分けることであり、モデルを創造する力だ。

データ・サイエンティストの仕事は、未来を予測することにデータを活用できることが魅力だと思う。

HandMadeのスッゴイ集客力

週末(土曜日)にイベントを見にビックサイトに行った。ゆりかもめの国際展示場正門駅に降りてビックサイトへの短い道中何のイベント告知も目に入ってこない。ホントに今日かな?幕張だっけ?と少し心配になりながらも、ビッグサイトに向かう細い人の流れに乗ってみた。

会場に降りるエスカレータからみると、手作り感満載の受付ブースに入場待ちの行列が見えた。
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入場料(1日券¥1,000)を買って中に入ると、さすがに企業の展示会とは違ってブースというよりもバザー的にショップが出展している。そして、イベント会場内は思いの外の集客だった。知り合いの紹介でこのイベントを知ったのだが、事前の集客プロモーションには全く触れたことがなかった。それでこれだけの人たちが入場料を払って入っているのには驚きだ。(多分、出展者以外の無料入場は殆どないと思う)
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イベントの規模は2日間開催、出展者は2日で約2,400店(単日出展者あり)、入場者目標は30,000人とのこと。出展者の内容は、ハンドクラフトのジュエリー、アクセサリー、雑貨、服飾、2013-07-20 12.58.17バッグ類、アートなど。展示販売の他に、Workshop、実演イベント、Music&Play、フードサービスなどのエリアもある。

買う人は作る人だ!?

このイベントはハンドクラフト、手作り、非マスプロ商品の作り手がダイレクトに消費者に販売するビジネスモデルだ。C to C ( Creator to Consumer )である。入場者も売り手も女性が80%以上を占めており、年齢層も20歳前後~40代の感じだ。
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イベントに行ってリアルに感じたのが買い手と売り手が相互に入れ替わっている感じがあることだ。つまり、出展者が買い手となって別の出展者の商品を買ったり、一般の入場者もクラフトワークをしている人が多いような雰囲気がある。(Workshopも場内で行っており、作ることを習う人も集まっている。)その意味でビジネスモデルは、Creator to Creator であり、 Consumer to Consumerでもある。

このように考えると2,400の出展者がそれぞれ15名を呼べば30,000名を超える集客が可能になる。決して大きなプロモーションは必要ない。もちろん、O2O的な呼び込みも各出展者、主催者は行っていただろうが、このようなリアルに数字が読めるというのは大きい。

このイベントの主催者はCreema (http://www.creema.jp/)というハンドクラフト商品のマーケットプレイスを運営する赤丸ホールディングス株式会社である。

このCreemaのようなハンドメイド・マーケットプレイスは他に以下のようなものがある。

iichi http://www.iichi.com/ 博報堂の新規事業としてスタート、カヤックも出資
Tetote http://tetote-market.jp/ サイバーエージェントからOCアイランドへ事業移管
Minne http://minne.com/  株式会社paperboy&co.が運営
ハンズ・ギャラリーマーケット http://hands-gallery.com/ 東急ハンズ (オプトが運営していたDAN-TEを吸収)
dクリエーターズ http://creators.dmkt-sp.jp/ NTTドコモ

海外をみると最も大きいのは Etsy http://www.etsy.com/のようだ。wired.jp によると、Etsyの売上高は11年の5億2,560万ドルから、12年には8億9,510万ドルに増加した。
12年の会員数は、11年から1,000万人増加して2,200万人となり、会員登録して購入した新規会員数は83%増加した、とのこと。
http://wired.jp/2013/01/30/etsy-gets-big-in-2012/

100×100のビジネスモデル

このようなC2Cのビジネスモデルを運営する企業はごくわずかのスタッフで運営されている。それでありながら、多数の会員向けのビジネスができるのは1×100ではなく、100×100のビジネスだからだ。 赤丸HDのような企業がハブとなってCとCをつなぎ、Cがそれぞれ増殖していくモデルの魅力を垣間見たイベントだった。

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イベント開催終了後、FBでイベント報告・集客実績(26,000名)のお知らせがありました。
https://www.facebook.com/HandmadeInJapan?hc_location=timeline

3軸で解き明かす「女子大生カースト」

女性ファッション誌”JJ”の中で「女子大生カースト」という記事があった。(カーストという言葉自体は差別主義的で個人的には嫌いだが)

JJ

「スクールカースト」がキーワードとして出てきて随分経つが、女子大生向けのメジャーファッション誌の中で4つの女子大生カーストが取り上げられていたので、女子大生の生態を解き明かすためにその構造に着目して分析してみよう。

 

 

 

 

 

対象は女子大生で、記事の中ではカースト制は4つの生活シーンについてそれぞれ違うものとして紹介・説明されている。

1.女子会カースト
2.合コンカースト
3.サークルカースト
4.SNSカースト

カースト制という名前からもわかる通り、その中身は序列(ヒエラルキー)だ。(数学的に言うと順序尺度である。)それぞれのカースト制の内容は以下のピラミッド構造とされている。

<女子会カースト>のピラミッド構造 女子会カースト

 

 

 

 

 

 

 

<合コンのカースト> (図は省略、以下同様)

1.可愛くてコミュ力高めなモテるコ
2.顔はそれなりだけど、場を盛り上げてくれるお酒に強いコ、おしゃれなコ
3.ダサいし大人しいけど、顔が可愛いコ
4.なぜか男と張り合う気の強いコ、地味で飲まないコ

<サークルのカースト>

1.先輩からも後輩からも慕われる読者モデル、ミスコン出場などのマドンナクラスの三女
2.二男や三男から可愛がられる、可愛い一女
3.元・可愛い一女ボジションだった二女
4.一度もちやほやされた経験を持たない二女・三女

<SNSのカースト>

1. 学内にも他校にも友達が多い、コミュ力高めなイケメン&可愛いコ(知らないコや一度会ったコから申請が来る)
2.学内や地元などの仲間内のつながりが強いコ(コメントがいつも同じ友達から来る)
3.目立つこと友達になりたいと思っているが、イマイチ目立たないコ(よく自分から友達申請する)
4.友達の数が100人以下の友達の少ないコ

各カースト毎に内容を細かくみると構造を規定する「軸」が見えてくる。

<女子会カースト>では、次の2軸がみられる。
●カレ軸
・・・・ イケメン・社会人などの自慢できるカレがいる
・・・・ 付き合いが長い・優しいカレがいる
・・・・ カレがいない、男の子に大切にされない
●モテ軸
・・・・ 恋バナが多い
・・・・ 恋バナ少ない

<合コンカースト>も、2軸。
●モテ軸
・・・・ 顔が可愛い
●コミュ力軸
・・・・  場を盛り上げる
・・・・ 協調性がある
・・・・ お酒を飲む

<サークルカースト>は1軸構造。
●モテ軸
・・・・ 読者モデル、ミスコン経験者
・・・・ チヤホヤされる
・・・・ 以前は可愛いと言われた
・・・・ 一度も可愛いといわれてことがない

<SNSカースト>は1軸。
●コミュ力軸
・・・・ 学外にも友達が多く、知らない人からも申請が来る
・・・・ 知り合い、地元のつながりがある

4つあるカーストを構成するのは、
● カレ軸
● モテ軸
● コミュ力軸
の3つの軸に集約されることが分かった。

女王蜂は一つの巣に一匹だけ ! !

女子大生はこの3軸それぞれにおいてでどこに位置するか(位置づけられるか)でそのコミュニティでの序列が決まる。

昔の小学校時代を思い出すと、●スポーツ軸、●勉強軸、●面白軸、などの軸があって、運動会のヒーロー、テストのヒーロー、昼休みのヒーローなどがそれぞれいた。勉強はダメでもスポーツでヒーローになったり、授業中はおとなしいのに休み時間になると急に人の輪の中心になるような奴がいた。つまり、どれかの軸でガンバレば誰でもヒーローになれる可能性はあった。当たり前だが、それぞれの軸が違う能力をベースにしていたからだ。

女子大生の場合、よく見ると●カレ軸と●モテ軸は結果と原因くらいに関連がある。また、●モテ軸が外見的な好意度であれば、●コミュ力軸は性格的・内面的な好意度の軸ととらえることができる。このように軸に関連性が強いと、4つのカーストの中における序列も関連性が高くなり、例えば<女子会カースト>で上位であれば<サークルカースト>の序列も高くなる傾向が出てくる。。。。。。するとどうなるのだろうか?

女子大生のコミュニティでは、常に人気者になる”女王蜂”が絶対的な存在としてどんな場面でも光り輝くことになってしまうのではないか。
一方、”働きバチ”は決して”女王蜂”にはなれない。

こうやって考えると、「ミスコン文化」も男性が支えているようにみえるが、実は女子が生み出し確固たる序列を決めている場ともみえてくる。男性に比べて女性ではこのような序列感覚が強いのかもしれない。

ま、仮説ですが、ご意見があればコメントを!

ソーシャルデータからウェザーマーチャンダイジングを検証してみる。

以前のエントリー(夏のニット帽)でウェザーマーチャンダイジングについて少しまとめた。

内容としては、気温の変化と共にある時点からある商品が売れ始める。それには気温が上がると売れる昇温商品と気温が下がると売れ始める降温商品がある。であるならば、その気温の変化に伴ってコミュニケーションをすることでより商品の売り上げを伸長させることができるのではないか?という考え方がウェザーマーチャンダイジングだ。

では、その気温の変化によって起きる消費の変化がソーシャルデータの中にどのように表れているかを弊社所有のテキストマイニングツールを使って検証してみた。対象とする商品は「アイス」と「おでん」だ。

ソーシャルリスニングの実施概要は以下の通り。
アイスとおでん概要表

 

 

 

 

【気象データ概要】
気象庁ホームページ(http://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/)より抜粋。
2012年8月~2013年7月の東京の月間平均気温データを使用。

まず、アイスクリームについて、気温の変化とクチコミ(アイス+食べた)の変化をみる。
アイスクチコミグラフ

8月をピークに、気温が低くなるとクチコミが減少し、気温が高くなるとクチコミが増加する。ここから、アイスの消費は気温とほぼ連動していると考えられる。

アイスの昇温商品としての閾値は25℃で、平均気温が25℃を超えている8月9月のクチコミは他の月に比べて多い。また、6月は平均気温が上がってきてはいるものの22.9℃と25℃には届かずにクチコミも450件を超えていない。つまり、25℃を超す季節になるとクチコミはかなり多くなる昇温商品であることが裏付けられた。

しかし、気温が下がった冬場でもクチコミ件数は200を下回ることはなく、冬のアイスにも需要があることを示唆している。

その時期に増加しているつぶやきワードをみると「クリスマス」「バレンタイン」「花見」と「アイスを食べた」が同時につぶやかれているようだ。このような特定日には気温とは関係のない「アイス」の需要があることがわかる。
アイスその他グラフ

 

次に、おでんについて、気おでんクチコミグラフ温の変化とクチコミ(おでん+食べた)の変化をみる。

 

気温が下がる9月~11月はクチコミ数が増加し、気温が下がりきった12月からはクチコミ数は減少する。「寒暖差を感じやすい時期」「季節の変わり目」におでんが消費されやすいと考えられる。

また、おでん需要の低そうな4月~8月でも、数は少ないが需要は存在する。コンビニではおでんが売られなくなるが、本場の静岡や屋台での需要がある。このような本格的な「おでん」もまた、気温に関係なく食べられている。
夏のおでん

 

本来ウェザーマーチャンダイジングは気温と商品の売行きの関係だが、これまでみたように気温と商品のクチコミの間にも密接な関係がみられる。これは消費行動がクチコミに反映されているからである。

逆にソーシャルでつぶやかれるクチコミの動向を分析することで実際の消費生活がどう変化しているかを把握できる可能性がある。

このようにソーシャルデータでおおまかな動向が把握できて、さらに詳細に分析したいときはエンドユーザを対象としたアンケート調査やグループ・インタビューを実施するとよりビビッドな動きが見えてくる。

以下にソーシャルリスニングによるウェザーマーチャンダイジングのレポートを置いておく。

ソーシャルリスニング分析 おでん・アイスと気温の関係

プロの書くメルマガ

メールコミュニケーションのプロがセミナーを行ったので聴いてきた。その中でなるほどと思えたことを備忘録的にまとめてみる。

メールマガジンの目的は(読者から)できるだけ多くのNext Actionを誘発すること。それを以下の流れで考える。

(1)  配信不達を避ける。
(2)  購読継続。配信停止を避ける。
(3)  次はメールの開封率を上げること。
(4)  さらにメールの内容について認知してもらうこと。
(5)  関心を持ったものについてクリックしてもらうこと。

メルマガは読まれる前に棄てられている。

メールマガジンの受信状況についてのデータをみるとたくさんの人が多くのメルマガを読んでいる。

・PCユーザの約9割の人がメルマガを購読していて、2/3以上の人は6本以上のメルマガを購読していることになる。また、20本以上購読者が1/4もいる。(出典:マイボイスコム 「メールマガジンの利用」調査 http://www.myvoice.co.jp/biz/surveys/17914/index.html)

さらに、メルマガに関する別の調査結果をみると

メルマガ処理方法

 

・半数以上の人は読まなくなったメルマガをオプトアウトせずにただ捨てている。
メルマガグラフ
・メルマガを読まない理由をみると、4割以上は「受信する本数が多すぎる」と答えている。ほかの理由をみても、メルマガ自体にコミットしている人は少ない。まあ、メルマガなんてどうでもいい人が多いと言う訳だ。

(出典:ディレクタス 「メールマガジン購読実態調査」より)

 

 

オプトアウトされたり、ごみ箱直行にならないためにはベスト5~ベスト7のメルマガになっていないと厳しそうだ。

読む前に棄てられないようにするためには、、、

◎配信不達を避けるために
・サーバー環境、データコレクションの問題(詳細省略)

◎継続するために

1.個人名で送る
メールソフトの受信トレイの発信者欄に個人名が出るように。できれば、ひらがな、カタカナの名前(ex.サトウ チカ、なかまち えみ、など)がよい。
B2BでもB2Cでも個人名で送る方がよい。(ペンネーム、ニックネームでもよいというか、その方が継続率は高い)
名前を出さない場合でも、会社名ではなく、専門部署の名前で(ex.XXXX事務局、XXXX担当、など)

→ 実際これができているメルマガはほとんどない。

2.コンテンツでひきつける
1)コンテンツの方向性 → メインターゲット&サイトコンセプト&メインターゲットの関心事
2)編集後記で人としての弱みやハートフルな話をしたり、読者投稿を交えることで、より身近なものとして興味を持ってもらう

当たり前だが、関心のあるコンテンツを作る。
~ 関心のあることについては、読者もよく知っている。~ 知っていることが書いてあると読みたくなる。 ~ しかし、いつも知っていることだと関心が薄れてくる。 ~ だから、ストライクゾーンを少し外れたボールも含める。~ という流れになるのだろうけど、コンテンツだけで惹きつけるのは難しそうというか、コンテンツ自体はかなりみずもの。そこにあまり依存しない方がいいようだ。いろいろ試して、引きの強いものを発見するしかない。

お約束かもしれないが、そのカテゴリの著名人のコンテンツはいい指標を出すと個人的には思う。

◎  開封してもらうために
1)キャッチーなコピー
強いキーワードを前に置く → 激安!、期間限定!、20名限定、など
視覚的な工夫を入れる → ■◆★など
チラ見せで読ませる → あの・・・・、3分でわかる・・・、

2)自分ごとなコピー
女性向けは年齢を入れる → 48歳のXXXさんは~~(女性は年齢が近ければ自分ごと)
男性は現象を訴求する → 朝、電車に乗るときにふと感じるのは~~(男性は身に覚えがあれば自分ごと)

ふ~~~ん! なるほど!

都道府県を明記して → ex. 鳥取県の方なら知っているXXXX
不満・悩み・疑問でアプローチ → ex. 階段を登るとハァハァしませんか?
趣味・習慣でアプローチ → ex. コーヒー好きの方へ!! 見逃せないお知らせです。

 その他、諸々役立つことを聴いたのですが、じゃ一言でいえばどうするの?

知り合いから送られてきたように!
読者それぞれに固有名詞で!
最後はメニューから選ぶように!
・・・・
と並べてみると

 お得意様と対面販売で話すようなメルマガがいい!

ということになりそう。その時にはお得意様のペルソナを作らないとならないな。
、、、とここまで考えて、

ペルソナ作るってことは、メルマガはダイレクトマーケティングの皮を被ったマスマーケティングなんだ、ということを再認識。

 

最後にひとつ!

バナーだけでなく、テキストリンクを入れるとクリックされる確率が上がる!!

これもよく聞くけどあんまり実践されていない公開テクニックかな!

 

気になるCM

最近気になるCMがある。

「薬用ネクア」(株式会社フィシコ)のCMだ。いわゆる「ニキビ治療薬」で、オーストラリア発のスキンケア発想を標榜している。

ネクア公式サイト http://www.ne-kur.com/

株式会社フィシコ http://www.fisiko.biz/index.html

公式サイトにTVCM本編がある。その中身は4つの15秒CMが入っており、いずれもナレーションが大きく文字で画面に露出される映像展開。まずは、ちょっと見ていただきたい。

このCMの流れを分析してみよう。
ターゲットは ニキビを本気で治したい人 → ニキビに本当に困っている人 → これまでのニキビ薬では治らなかった人 → これまでのニキビ薬でリバウンドした人 と特定。(CM予告編でも訴求)

四編とも最後は「求ム、ニキビの本気の挑戦者。」→「お店に行って肌質チェック」で終わっている。この四つのCMを勝手に命名すると「発見編」「体質編」「効果遅行編1」「効果遅行編2」となる。「発見編」についてメッセージの遷移をみると、、、、

(発見編)

ネクア-1 ネクアはいきついた。

ネクア-2 繰り返すニキビリバウンドまでも考えたケアに。

ネクア-3 ニキビリバウンドしない肌へ。4つの肌質別ニキビケア。

ネクア-4 求ム、ニキビに本気の挑戦者。

ネクア-5 お店に行って肌質チェック

このメッセージ展開を弊社オリジナルのフレームワーク「プロダクト・ベネフィット・コンテキスト」に沿って考えると以下のようになる。

【プロダクト・ベネフィット・コンテキストのフレームワーク】productbenefit

  • 気づき …「ニキビリバウンドして困っていませんか?」を暗に示し、ネクアはリバウンドを前提としたケアにいきついたよ。とメッセージ。
  • Reason Why … この部分はCMの中では明確にはしていないが、「ニキビはすぐには治らない」「今のニキビケアはアプローチが間違っている」がニキビリバウンドの理由。(詳細はWEBやパンフレットで説明している)
  • Function … ネクアが他と違うのは「4つの肌質別治療法」というアプローチ。
  • 商品ベネフィット … ネクアがもたらす商品ベネフィットは「リバウンドしない治療成果」
  • 生活ベネフィット … ネクアがもたらす生活ベネフィットは「ドアップで写メ撮りたい」「すっぴんで街歩きたい」「ニキビと戦って肌きれいだねって言われたい」「マスクで隠さず笑顔ふりまきたい」「髪型変えたい」「おでこ見せたい」というユーザの期待で表している
  • 生活変化…「もっともっと自分に自信を持ちたい」

他のCMもその流れをまとめておこう。(「気づき」は何パターンかあるが他の部分はほぼ同じになっている。)クリックで拡大。

その他のプロダクトベネフィット

さて、こうやってみるとメッセージの流れ、CMの作り方が通販のそれに類似していることがわかる。さらにこのCMには発売予告編とユーザボイス編がある。これらを合わせると正に通販CMのバリエーション展開と同じだ。で、商品をみると「初回限定トライアルセット」が987円との表記されている。

ところが、CMで訴求しているNext Actionは「お店に行って肌質チェック」。つまり、この商品は店販商品なのだ。

トライアル商品もWEBでは買えない。お店へGOだ!

いくつかのドラッグストアに行って「ネクア」を探したが取り扱いがない。店員さんに「ネクアありますか?」と聞くと「あのCMやってる商品ですよね!うちは取り扱っていないのよ。」という声が3店連続で。配荷率はまだ上がっていないようだが、店への問い合わせはたくさんあるらしい。コンプレックス商品なのでメッセージは伝わりやすいが、それでもターゲットにはコミュニケーションが刺さっているようだ! さて、最終的には4店目の店頭で商品に巡り合えた。そこには「肌質チェック」のパンフがあった。(WEBでもできるのだが)

ネクアパンフ 店頭にあるネクアのパンフレット

今日のテーマはメッセージの分析手法だ! この事例でみると、店販商品でも説得型通販商品のコミュニケーションが成立している。様々な商品のコミュニケーションを「プロダクト・ベネフィット・コンテキスト」のフレームで分析するとわかりやすい。自社商品だけでなく、競合商品や過去商品と比較するとより違いが分かるのでお勧めだ!

夏のニット帽

今日(7/2)はかなり気温が上がっている。外の日差しもかなり強い。まだ、梅雨は明けないが夏が来たという感じだ。2~3年前からだろうか、街中ではこんな夏にニット帽をかぶる人がずいぶん増えてきたように感じる。

夏のニット帽(写真はZOZOTOWNより引用)

ファッションなので逆を張ることが個性になるが、一般的には「ニット帽」は寒くなると着るものの代表だ。

気象庁の先日「アパレル・ファッション産業における気候リスク評価 調査報告書」(平成25年4月)を出しているが、その中で、過去3年間の気温データとアパレル商品各種の売行きデータの関係を分析している。その中で「ニット帽」(下図)をみると、ニット帽は8月半ばから徐々に売れ始め、10月下旬から11月初旬にかけて急速に売り上げを伸ばしている。気温との関係でみると売上は気温と負の相関を示しており、特に気温が15℃を下回る時期に販売が伸びている

ニット帽と気温

ニット帽の他にも、
1) サンダルは4月の気温の変化を待って売れ始める。
2) ロングブーツは平均気温が15℃を下回ると急激に売れ始める。
3) 女性用コートは最低気温が10℃を下回るときに販売のピークを迎え、男性用コートはそれに1週間程度遅れる。

などのデータが検証されている。

このように気温と販売の関係をベースにした商品販売アプローチをウェザーマーチャンダイジング(WMD)という。この考え方はアパレル以外でも食品分野・飲食分野で古くから活用されている。
商品には、気温の上昇とともに売れる「昇温商品」と気温の下降に従って売れる「降温商品」がある。
「昇温商品」はカレーライス、明太子、豆腐サラダ、酢の物、ビール、アイスクリームなどがあり、「降温商品」は天丼、ミートソース、ハンバーガー、日本酒などがある。(下図) 

昇温・降温商品リスト (出典:日経レストランOnline)

面白いのはカレーライス(昇温)—カレーパン(降温)、白ワイン(昇温)—赤ワイン(降温)の二組。暑くなってくると、カレーライスは食べたくなるがカレーパンは食べたくならない。寒くなってくる時期には常温で飲む赤ワインが飲みたくなり、冷やして飲む白はなかなか選ばれないらしい。

昇温商品、降温商品を具体的にプロットしたのが下のグラフ。25℃を超えると「アイスクリーム」が売れ、32℃を超えると「かき氷」が売れる。逆に18度を下回り始めると「おでん」が売れ始め、15℃を下回ると「鍋物」が売れ始める。(下図も日経レストランオンラインより引用)

気温と売れ筋変化

(出典:日経レストランOnline)

コンビニの「おでん」はまだ暑い日の多い9月から店頭に並び、一番寒い2月に売れるのではなく、寒くなりかけの10月、11月に売れるらしい。つまり、気温が変化しかけた時が狙い目のようだ。

また、自動販売機(飲料)の場合も、最低気温が17度または10度を下回るタイミングでホット飲料の売り上げがアップすることを見出し、ウェザーマーチャンダイジングを展開している。

違う商品カテゴリでのウェザーマーチャンダイジングの事例として「ゴキブリ殺虫剤」がある。(食べ物の話の続きで恐縮だが)平均気温が25℃となる6月からゴキブリ用殺虫剤は薬局等の店頭に並び始め、25℃を下回る9月末で棚落ちするらしい。
これはゴキブリの生態と密接に関係があり、ゴキブリは25℃以下の室内には住み着かないらしい。なぜなら、その環境では卵を孵化することができない。ゴキブリはそのような場所からはとっとと脱出してもっと良い場所に移る習性がある。
しかし、昨今の冷房をあまり効かせない節電・省エネの夏を迎えると部屋の温度は25℃を超え、ゴキブリは増殖する。すると、殺虫剤の登場となるわけだ。

このウェザーマーチャンダイジング、上記のように色々な業種で経験則として無意識に使われている。買う側もそんなことに気づかずに買っている。 でも、「今日は25℃を超えたからアイスクリームをおいしく食べられますよ!」とか、「あなたの家のエアコンの温度設定、25℃以上ならゴキブリ注意報発令中!」(エコじゃないけど)というように、敢えてわざとらしく「気づき」を与える方が効果があるような気もする。

 

ゴキブリ

http://item.rakuten.co.jp/soshina/b11bc412004/(楽天市場より)

しかし、こんな輩が家の中を徘徊するなら、街全体が冒頭のニット帽になった方が全然マシだ!!