月別アーカイブ: 2013年8月

Echikafit 永田町はスタバになれるか?

8月8日(木)に東京メトロ永田町駅に「Echikafit 永田町」がオープンしたので、早速、夜と朝によってみた。
エチカ入口
東京メトロのニュースリリースによると、●施設コンセプトは「いつでも誰でも気軽に立ち寄れる“ カフェテリア カルフール(交差点)”」、●施設環境は「ネオクラシカル(Neo Classical)」として、レンガの素材感を活かした施設デザインとLED照明の導入で環境負荷を低減しているとのこと。
●店舗構成をみると、店舗面積は131坪で7つの飲食店・食物販店が入り、うち全国初出店が5店舗となっている。

乗り換え客がターゲット

永田町駅は有楽町線、半蔵門線、南北線の3つの路線が交わり、1日11万人が乗り換える駅だ。この施設のキャッチフレーズは「乗り換えグルメ、はじまる」となっており、ターゲットは乗り換え客を狙っているようだ。(というか、乗り換え客しかいない場所だが)乗り換え客といっても、通勤客や通勤ではないビジネス利用客、買い物客など様々な利用目的の人がいる。
エチカパンフ (711x512)

 

 

 

 

 

本来、このような乗り換え客の一時利用を取り込む商業施設(飲食施設)に必要な要件は「何を売っている店かすぐにわかること」「パッと入って、サッと食べて、スーッと出ていけること」だ。これまでなら、いわゆる「駅そば」や「ミルクスタンド」が最適業種といえる。食事をすることを目的に永田町駅を訪れる人はほとんどいないし、そのようなニーズは顕在化していない。

ところが、Echikafit 永田町はそれとは真逆といえる。Echikafit 永田町の特徴をあげてみよう。

 Echikafit 永田町とはナニモノだ!?

(1)「選ぶ楽しみ」が改札の中で

業態はフードコートスタイルのフリーシートで、入口のカレーショップ(ここだけはメトロ直営)以外はパッと見て何を売っているかわからない。しかも、ウナギの寝床のように奥に向かって細長い地形となっているので中に何があるのかはエントランス部分からは見えない。他の場所に例えるならば、駅ビルのレストラン街を歩いていくイメージがぴったりだ。規模は小さいが、これまで駅にはなかった「選ぶ楽しみ」がある。

(2)ちょっとではなく、「ガッツリ」

また、いわゆるカフェメニューだけでなく、定食のようなガッツリ系のメニューも充実している。(鉄板焼や焼魚・煮魚定食、肉そばなど)値段も1品1,000円を超えるものまであって、「ちょっと立ち寄って小腹を満たす」業態ではないことは明らか。誰が駅でガッツリ定食を食べるのだろうか?

(3)おひとり様大歓迎

席の作り方も興味深い。1人様用のカウンター席(図書館風)やボックス席が多く用意され、PCをつなぐコンセントも8割の席についている。食事だけでなく、デスクワークもおひとり様用だ。「おひとり様も入れますではなく、2名様以上でも利用できます」といえるくらいの振り方は潔い。
お一人様席

 (4)急がないシックな空間

おひとり様の業態によくあるファストフード的なチープな空間ではなく、全体をレンガ基調でとりまとめ、少し粋でシックな空間を提供している。そこには駅の乗り換えの喧騒・スピード感から少し距離をおいたゆっくりとした時間が流れている。敢えて、空間と時間を商品として提供しているように思われる。
図書館席

Echikafit 永田町はスタバか?

このように特徴を並べてみると、何とはなしに「スタバ」が思い起こされる。ドトールをはじめとする低価格コーヒーショップが台頭する中で、スターバックスは日本にやってきて、グルメコーヒーだけでなくその独自の空間とコーヒーショップの楽しみ方、使い方を教えてきた。

Echikafit 永田町は11万人のハイポテンシャルなトラフィックを背景に、利用目的・利用シーンを絞り込んで、これまでそこに無かったニーズを顕在化させようとしている。11万人の100分の1である1,000人のニーズを顕在化させれば成功といえるのだろうか。実際に利用してみると、いろいろオペレーション上の不都合は目につくが、そこに行く目的のなかった永田町駅に目的を生み出せるかどうか、今後が楽しみだ。

呉服商のお爺さんとマーケティング(1)

究極の販売モデル

もう随分前に亡くなってしまったが、私が大学時代にも大変お世話になったお爺さんが呉服屋さんだった。呉服屋といっても店を構えているのではなく、月に1回くらい東京の問屋さんから反物を仕入れてきて、それを担いで商売をされていた。
お得先の家を反物持参で訪問し受注をとる。お客様は日常的に和服を着る旅館の女将さんや茶道・華道業界の人、また年に何回も社交の場に出る女性たち(今でいうセレブなおば様たち)が多い。
お爺さんはお客様と話をしながら意向を伺い、自分の持っている反物の品ぞろえの中から適切な提案をし、お客様の反応を見ながら、さらに次の反物を提案する。その会話の中には生地・織りや産地の話だけではなく、世の中のトレンド・流行の話だけでなく、同じ反物で作った方がどんな評判を得たかの身近な体験談も交えていく。現場を見たわけではないが、話を聴いた中ではこれがおおまかな呉服訪問販売ビジネスの流れだ。

最終的にはお客様が選んだ反物でお客様のサイズに合わせて着物を作る。
つまり、お客様の希望に合わせてモノを作り、それを販売するビジネスモデルだ。

「モノを生産・販売する」という活動において、かなり古くからあるビジネスモデルといえるだろう。(たぶん、物々交換経済の次の次くらいに発生していると思っているがどうだろうか。)

このビジネスモデルを「顧客満足度」の視点でみると、顧客のニーズ、要望を聞き入れてそれからモノづくりをする訳だから、単純に考えても物理的な商品に対する顧客満足度は高いはずだ。
さらに、ソフト的(情報)にみても、セールストークの中で提供している情報の有用性が高ければ満足度は高い。(この部分は属人的にならざるを得ないが、)

このお爺さんのような成功している「カスタム・オーダーの対面販売」は、顧客満足度の高いビジネスモデルといえる。

多くのビジネスが顧客志向を標榜し、顧客満足度を活動評価の重要指標(KPI)として設定している昨今において、「カスタム・オーダーの対面販売」は「究極の販売モデル」といえる訳だ。

「マーケティングの役割」って何ですか?

さて、「マーケティングとは、モノやサービスを売るための仕組みづくり」という考え方はごく一般的だと思われる。売るためのモノを開発する商品開発から、流通への導入、消費者への告知・信頼形成と動機づくり、ユーザのアフターケアとリピート促進、クチコミなどによる拡散までの一連の流れである。

呉服商のお爺さんはマーケティングをしていたのだろうか?
随分前だし、年齢から行っても「マーケティング」という言葉は知らなかったはずだ。知っていて、実践していたのは「商売」「稼ぐこと」だけだ。

お爺さんは「マーケティング」していない。する必要もない。しなくとも顧客満足度の高い商売をしているからだ。

では、「究極のマーケティング」とは何か?

この問いに対して用意されている答えは「マーケティングしないこと」である。
「モノやサービスを売るための仕組み」がなくても「モノやサービス」が売れる状態が最も理想的な状態である。
呉服商のお爺さんの「カスタム・オーダーの対面販売」だ。

ということで話は最初に戻ってしまいそうだが、マス・プロダクション&マス・セールスの時代にこそ「マーケティング」は必要とされ発展してきた。なぜならば、マスセールスになるに従い、販売モデルが「カスタム・オーダーの対面販売」からだんだん離れていくことになったからだ。マス・プロダクション&マス・セールスの時代になって、顧客にとって便利になったことも多いが逆に顧客満足は低下している。
故に、私は

そのギャップを埋めるのが「マーケティングの役割」と考えている。

「カスタム・オーダーの対面販売」の時代には存在して、「マス・プロダクション&マス・セールス」の時代になって失ってしまったものを補完することで、究極の販売に近づき、顧客満足度を高め、新規顧客とリピートオーダーを獲得することが「マーケティングの役割」である。

~ つづく ~

マーケティングの2つの大きなダイレクション

マーケティングは、マスプロダクション&マスセールスを前提として発展してきた。その中でターゲット策定が最も大切なことであるとは何回か話してきた。では、ターゲット策定アプローチにより、どのような違いがでるのだろうか。そこには、次の3つのアプローチがある。

  1. マス・マーケティング

    標的市場全体に対して、一つのメッセージでアプローチしたり、統一したマーケティング施策を展開

  2. セグメント・マーケティング

    デモグラフィック基準や共通する選好やニーズ、価値観、購買行動などの基準で標的市場を分割し、それぞれの市場に対して異なる施策を展開

  3. 個客マーケティング(ダイレクト・マーケティング)

    ダイレクト・マーケティング、ワン・トゥ・ワン・マーケティングとも言う。特定の固有名詞付きのお客様に買ってもらうためのマーケティングを展開

それを表したのが以下の図である。基本的に同じ方向から「販売」というゴールに向いているような図である。

ダイレクトマーケ①

 

 

 

 

 

 

 

単純にターゲットのサイズで並べると上記のようになるが、マス・マーケティングおよびセグメント・マーケティングと個客マーケティングはそのコンセプトがほぼ正反対と言えるくらい異なる。(下図参照)ダイレクトマーケ②

 

 

 

 

 

ここでは、「マス・マーケティング」と「セグメント・マーケティング」は「販売」という最終目標に対して基本的に同じ方向を向いているが、「個客マーケティング(ダイレクト・マーケティング)」は全く逆の方向から「販売」にアプローチしている。この2つのダイレクション(方向性)を比較してみる。

 

                               マス・マーケティング                 個客マーケティング
コンセプト                  商品を売る                                人が買う
KGI                          売上の獲得                                LTV(生涯顧客価値)の最大化
KPI                           マーケット・シェア                     マインド・シェア
KPI                          アクイジション                          リピート率
グルーピング             全体の分割                              個体の集合
差別化                       機能                                      ベネフィット

 

以上のような違いを端的に言えば、「個客」は「マス→セグメント」の延長にはいない。

「個客」の「個客」たる所以は、固有名詞が付いていることだ。

この2つの違いがわからない場合はきっと何かを誤解している。そして、誤解している人は思いのほか多い。一度、自己診断してほしい。

HOPE SOAP and more

HOPE SOAP Project を知っていますか?

南アフリカのケープタウン。貧民街だろうか?
貧民街の風景

 

 

 

 

 

 

ごみが放置され、衛生環境の悪さが懸念されている。
ごみの風景

 

 

 

 

 

 

特に子供たちのチフス、下痢、肺炎、コレラなどの感染症が危惧される。
子供のいる風景
typhoid

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この衛生環境改善のために、低コストかつ普及しやすい対策が「いつも石鹸を使って手を洗うこと」だ。
石鹸手洗いは効果的

 

 

 

 

 

 

しかし、単に石けんを配布するだけでは誰も使ってくれない。親がきちんと指導するという環境にもない。
どうやって「石鹸を使う習慣をつけるか」が課題だ。
手洗いを子供にどうやって伝えるか

 

 

 

 

 

 

その対策として考えられたのが HOPE SOAP Projectだ。
まずは映像を見てもらいたい。

子供達一人一人に、「HOPE SOAP」(希望の石けん)と名付けられた石けんをプレゼント。この石けんの内部には、ミニカーやキティちゃんの置物、フィギュアなど、多種多様なオモ チャが埋め込まれている。子供たちが毎日手を洗って石けんを使いこなしていくことで、石けんそのものが削れ、中のオモチャが取り出せるという仕組み。子供 達はオモチャが欲しくて頻繁に手を洗うようになり、間接的に衛生環境の改善に役立つ仕組みというわけだ。 出典:http://www.jgnn.net/ls/2013/08/post-7911.html

これは衛生環境確立のための工夫として非常に参考になるのだが、それ以上にプロモーション活動への転用を考えさせられる。例えば、

  1. 既にコモディティ化が進みすぎて差別化されていない固形石鹸。例えば、キャラクターを埋め込んだ石鹸は子供にとって初めてのブランド体験を創る良い機会になるのではないか。
  2. ファミリーレストランでお子様同伴でご来店いただいた方にキャラクター石鹸を無償配布。手洗い推奨をすることで「子供の衛生環境に気を配るレストラン」としての価値創造に寄与できるのではないか。

などもある。

また、石鹸にこだわるだけでなく他の商品でも活用できるコンセプトなので、今後も継続して思考したい。

「あまちゃん」は現代版「8時だよ!全員集合」だ!

NHK連続テレビ小説「あまちゃん」の人気がすごい。わが家でも毎日録画して夜や週末に鑑賞しているようだ。番組の最高視聴率は22.1%となっていてここ10年以内の番組では「梅ちゃん先生」(2012年放映)に次いで2番目の高さだ。

さて、その好調の理由だが、主役の能年玲奈さんの人気や宮藤官九郎さんの脚本が巧妙でテンポが良い、などいろいろな意見がTVやネットで展開されているようだ。その理由の中の1つに“キャスティング”の妙があげられている。主要な出演者の年令を 昭和40年生まれ を中心に集めたというのだ。

  •  小泉今日子(ヒロイン・アキちゃんの母・春子)=41年2月生まれ
  • 尾美としのり(アキちゃんの父で、春子の元夫)=40年12月生まれ
  • 杉本哲太(北三陸駅駅長で、春子の幼なじみ)=40年7月生まれ
  • 吹越満(北三陸市観光協会会長)=40年2月生まれ
  • 八木亜希子(アキちゃんの親友・ユイちゃんの母)=40年6月生まれ
  • 古田新太(芸能プロデューサー、通称「太巻」。かつて上京した春子の運命を左右したらしい)=40年12月生まれ
  • 薬師丸ひろ子(春子が憧れ、アキちゃんも憧れる女優・鈴鹿ひろ美。ひょんなことからアキちゃんが付き人となる)=39年6月生まれ
    出典;http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20130717/enn1307170724004-n1.htm

つまり、昭和40年を中心に前後5,6年の範囲で生まれた人たちをターゲティングしたと思われる。

ちなみに 「昭和40年男」 という雑誌がある。
昭和40年男表紙

 

 

 

 

 

 

昭和40年男 2013年 08月号 [雑誌]

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00DO9IB2I/ref=as_li_tf_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B00DO9IB2I&linkCode=as2&tag=s40otoko-22

この雑誌も昭和40年生まれの共通体験を時代観として共有している人をターゲットにしている。例えば、“あなたが好きだったのはどっち?” 企画もその一つだ。 当時の世代の男子ならみんな知っているボクシング漫画、「がんばれ元気」と「リングにかけろ」のどっちが好きか?野球漫画なら「プレイボール」と「ドカベン」のどっちが好きか?を較べる企画だ。いずれも漫画を読んでいた人なら知らないでは通れない人気漫画だった。

昭和40年男ボクシング 昭和40年男野球

昭和40年生まれの特徴

昭和40年(1965年)生まれの男性は今、日本に80万人ほどいるという。彼らの45年間の人生には、ほかの世代にない一つの特徴がある。

テレビが必需品として定着したのがちょうど昭和40年代。「ウルトラマン」や「仮面ライダー」、「8時だよ全員集合」など子どもたちの誰もが見るおばけ番組が多数放送されたのがこの時期だった。月曜の朝の学校で共通の話題は「全員集合」のカトちゃんや志村けんのギャグだった。そういう体験はほぼ全国の子どもたちに共通していた。全国規模でブームを体験した最初の世代がこの昭和40年男たちなのだ。
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1277286324088.html

さて、「あまちゃん」のターゲットは「昭和40年生まれの男」とは違って女性の方が多いだろう。しかし、そこでも男性同様に時代を共有しているはずだ。そのキーワードが、アイドルとしての「小泉今日子」、女優としての「薬師丸ひろ子」であろう。これは役としての「天野春子」や「鈴鹿ひろ美」ではない。

まさにその時代に実在し輝いていた「小泉今日子」「薬師丸ひろ子」である。

この番組の人気要因は、ターゲットを明確にしていること、その共通体験を劇中で再現していること、の2点である。

そして、それを支えているのが脚本家宮藤官九郎の細かいこだわりであり、演出者とのコラボレーションなのであろう。

以下は推測ではあるが、本番組の視聴率は20%前後と高いものではない。しかし、昭和40年前後生まれの人だけに絞ったターゲット視聴率は実は相当高いのではないだろうか?

そして、昔の「全員集合」さながらに、翌日には「昨日のあまちゃん、見た?」から始まる会話が毎日のように交わされているはずだ。

トレインチャンネルがウェザー・マーケティングを始めた裏事情

首都圏のJRの車内デジタル・サイネージ「トレインチャンネル」でこの7月、8月に新しい広告の試みをジェイアール東日本企画(Jeki)が行っている。 <以下は同社のプレスリリース資料より引用>

1、 熱中症指数連動型広告展開

○ 7月29日(月)より、一般財団法人日本気 象協会の熱中症指数と合わせた映像広告をトレインチャンネルで展開します。
○ 熱中症になりやすい指数を、商品情報とともに地図形式で表示し、その直後に商品CMを放映することで、効果的に商品を訴求します。
○ 通常トレインチャンネルで放映しているニュース番組等と同じ随時更新システムを使用し、朝、夕方、夜の1 日3 回情報を更新します。
○ 広告主は大塚製薬株式会社で、広告内容は「ポカリスエット」商品告知です。
熱中症
  

2、洗濯指数連動型広告展開

○ 8月5日(月)より、一般財団法人日本気象協会の洗濯指数と合わせた映像広告をトレインチャンネルで展開します。
○ 新たな試みとして、洗濯指数の高い(外で洗濯物が乾きやすい)場合は「ナノックス」を、洗濯指数の低い(外で洗濯物が乾きにくい)場合には「ハイジア」を、洗濯指数と組み合わせて自動的に配信し、直後のCM枠でも、上記2商品を自動的に選択して放映します。
○ 通常トレインチャンネルで放映しているニュース番組等と同じ随時更新システムを使用し、朝と夕方の1日2回情報を更新。指数と連動した商品情報を配信します。
○ 広告主はライオン株式会社で、広告内容は「ナノックス」「ハイジア」商品告知です。
○ 今回の企画は、指数情報を活用した広告表現手法等の実証実験として実施するものです。
洗濯指数
 

今年の夏の暑さの象徴である「熱中症」と「ゲリラ豪雨」の気象現象に合わせて、前者は「ポカリスエット」、後者は洗濯指数によって洗剤(「NANOX」と「HYGIA」)を提案する凝ったプログラムとなっている。まさにウェザー・マーケティングの王道を進んでいるのだが、実はその背景には次のような事情があったのだ。

トレインチャンネルの広告は効果がない ‼

2009年に行われたトレインチャンネルに関する調査の結果がそれを表している。

「トレインチャンネル」で便利だと思うのは、次のどのコンテンツですか。
(2009
6、インターネット経由で東京在住の2060代の男女300人。複数回答。JapanInternet.com調査)

人気のトレインチャンネルコンテンツ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トレインチャンネルのコンテンツの中で「コマーシャル動画」は7.7%しか便利とは思われていない。つまり、トレインチャンネルはその媒体特性上広告には向いていない、ということになる。

これでは困ってしまう。広告インカムがないとトレインチャンネルの設置費用すら賄えない。

そこでグラフの上のほうをみると、「天気予報」はコンテンツの中で最も支持されている(43.7%の高い支持率)ことがわかった。

つまり、トレインチャンネルでは「天気予報」と密接な関係のある商品の広告を「天気予報」とリンクして流すことで、はじめて広告媒体としての価値を生み出すのである。

流石です、Jekiさん。

 

 

 

顧客満足、ロイヤリティを測る4つの指標

顧客満足を1つのKPIとしてマーケティング活動を行うことは今や当たり前のこととなっている。メーカーや提供側のエゴ・自己満足でなく、顧客・ユーザにその評価を委ねて自らの活動の指標とすることは顧客志向の企業姿勢として正しい。

では、自らの企業としての顧客満足や自社商品の顧客満足をどのような計測可能なKPIとして設定するのか。いくつかの方法について以下にまとめよう。

1.満足度採点法

  • 顧客の感じている満足度を10点満点で申告や5段階評価(とても満足~とても不満足)で採点する方法
  • もっとも一般的だが、通常ネガティブな評価をする人は少なく、中庸~ポジティブな方に評価が固まりやすい。そのため、指標としての判別性が低い場合が多くみられる。また、合成指標として単純に加重平均点を算出するとその傾向は顕著になる。

2.NSAT(Net Satisfaction)

  • 採点をとる手段や基準は上記(1)と同じだが、NSATという指標を算出することで比較・検討をしやすくしている。NSATのコンセプトは、極めてポジティブな評価と相対的にネガティブな評価の総量を用いて算出するので、よいものはよく、悪いものははっきりと悪く採点される。
  • 計算方法は以下の通り。
    Positiveの比率=P: Positiveは4段階評価、5段階評価ではTopBoxの比率。
    10段階評価ではTop2Boxの比率の合計。
    Negativeの比率=N: Negativeは4段階評価では下2つ。5段階評価では下3つ。
    10段階評価では下4つの合計。NSAT説明

 

 

 

 

ここで、NSAT=PーN+100 で算出する。(NSATは200点満点で平均は100点)

3.不満足度採点法

  • 企業にとって満足しているお客様より、不満を持っているお客様のマネジメントが大切というジョングッドマンの理論に基づく考え方。
  • 単純に評価の指標化だけでなく、不満足客の発見と対処を行い、逆に満足度を高めていくための手法。

『グッドマンの理論』

  • 購入した商品やサービスに不満を持ったお客で、
    苦情を言う人は全体の4%、
    残りの96%は黙ったまま他社のお客になる。

  • この苦情を言わないが不満を感じている人が
    また買ってくれる割合は9%
    苦情が迅速に解決された場合は82%にあがる
    解決に時間がかかると54%にとどまる

  • 苦情処理に不満を持ったお客の口コミは、満足した顧客の口コミの2倍の強さがある。
    好意的な口コミは4~5人に伝わる。非好意的な口コミは9~10人に伝わる。
    20人以上の人に伝える割合は全体の12.3%になる。(ただし、インターネット社会では好意的な口コミも、非好意的な口コミもさらに伝わると考えられる)

  • 自社サービスに満足しているお客の40%が理由なく取引先を変える
    BtoBで客離れを起こした企業の60~85%がこれまでの取引先に満足していた。

4.NPS(Net Promoter Score)

  • NPSは顧客満足度というより顧客ロイヤリティを計測するシステムである。これはベイン・アンド・カンパニー社らが開発し、<満足→推奨>、<不満足→非推奨>というロイヤリティとクチコミ伝播の関係を指標化したもの。NPSと企業の利益率が相関することが検証されている。
  • 具体的には、「あなたは●●●について友人や家族に勧める可能性はどの程度ありますか?」という質問に対して、「0点~10点」の11段階で答えてもらう。その採点により、回答者を「推奨者」(10点~9点)、「中立者」(8点~7点)、「非推奨者(批判者)」(6点~0点)に分類する。
  • NPSは以下の式で算出される。

NPS = 「推奨者」比率 ― 「非推奨者」比率

「満足度」が過去の指標であるのに対して、「推奨」は将来の指標でありNext Actionと連動する指標と言える。

NPS説明

 

 

 

 

満足度、ロイヤリティの指標はこれ以外にもさまざまなものがあるが、臨機応変に活用するとともにその指標の持つコンセプトを十分理解したうえで運用するようにしたい。

 

女性が生み出す「草食系」男子

8月1日に[恋愛観調査2013](リクルートブライダル総研調べ)が発表された。この調査は未婚の男女、20代〜40代の 2,352人を対象に2013年3月にインターネット・リサーチで行われたものだ。

その中の質問で「恋人の有無の状況」を聞いた結果が以下のグラフだ。

結婚調査恋人の有無

これを見てまず気が付くのは,「恋人がいる」率は男性全体で20%、女性全体は37%と女性の方が約2倍くらい高い。そして、男性は20代、30代、40代を通してほぼ20%前後と一定であるのに対して、女性は20代の40%から40代では24%へと逓減している。つまり、女性から見た場合は男性はどの年代でも恋人がいる確率は20%前後で、独身男性の80%はアプローチOKだ。これに対して、男性から見て20代の独身女性は40%が恋人がいてアプローチ可能なのは60%と男性に比べて低い。以上から、独身男性がアプローチする場合の方が独身女性がアプローチするより失敗する率は高く、特に女性が若い場合(20代、30代)は顕著である。

その結果が何を招いているのか。
面白いデータが同じ調査の中にあった。それは「自分は『草食系』だと思う」比率である。

「草食系」は男性の方が女性より10%多い。(20代、30代の場合) 結婚調査草食系

「草食系」率は男性20代で48%とほぼ半数。男性30代で42%となっている。これは同年代の女性の「草食系」率よりも高い。この違いは前出の「恋人の有無の状況」のデータとリンクしている。前出のデータでみると仮に男女とも同年代の異性にアプローチするとするなら、男性20代、30代のアプローチ失敗率が最も高くなる。

それを反映して男性20代、30代の「草食系」率が高くなっている。ここから、仮説として導かれるのは、

「草食系」男子は最初から「草食系」だったのではなく、アプローチ&失敗を繰り返すことで学習を重ねて「草食系」男子が誕生したのである。

ということだ。

さて、これまで見てきたのは独身者の実態だが、究極の独身ともいえる[生涯未婚]をみてみよう。50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合である生涯未婚率(2010年時点)は、男性20.1%、女性10.6%と、初めて男性が2割台、女性が1割台に達した。

[生涯未婚率の推移]

zh1-2-10

出典: 平成24年版 子ども・子育て白書

これまで見てきたことを仮説的に流れを整理すると次のようになる。

生涯未婚率の拡大 ← 「草食系」(特に草食系男子)の増加 ←
「恋人のいる独身女性の割合」(男性と比べアンバランスな)

このように考えると女性の晩婚化対策や少子化対策の新しい方向性が見えてくるような気がする。

(かなり強引な展開だし、いろいろと検証を省いているので指摘は軟らかめにお願いします。)