以前、紀尾井町にオフィスがあり、いつも赤坂見附駅から弁慶橋を渡って、赤プリ(赤坂プリンスホテル新館)の横を歩いて通っていた。年の瀬になると、赤プリの壁面が大きなクリスマス・ツリーになる。これは高さ100メートルになる日本一巨大な(と思う)クリスマスツリーだった。このクリスマスツリーは赤坂見附の象徴ともいえる風物詩だった。
(写真は赤坂経済新聞さんより http://akasaka.keizai.biz/headline/photo/406/)
そのオフィスから移転して5,6年経つが、今年も時々紀尾井町方面に用事があったので解体が進む赤プリを横目で見る機会が多かった。
わずか30年の赤プリの生涯
赤プリ(新館)は1983年に開業し、2011年3月に閉館した。そして、今年建物としての30年間の生涯を終えた。40階建てのビルがだんだんと低くなっていく様子にその時は違和感を感じることもなかったが、よく考えるとどのようにしてビルがその形のまま地面に埋没するように消えていったのだろうか?(赤プリの解体工事は2012年11月から始まり、2013年7月に解体が完了した。)
「テコレップシステム」
その解体方法は「テコレップシステム」という大成建設独自の方法だった。
テコレップシステムの特徴
建物上部に既存躯体を利用して仮設のキャップをかぶせるように覆い、閉鎖された空間の中で上階から解体を進めていくことを最大の特徴としている。この仮設のキャップは、1フロア解体する毎にジャッキダウンする機能を持ち、足場の盛り替えのような高所危険作業が不要となり、安全に下階への解体に移行することができる。(出典:建築コスト管理研究所資料より www.ribc.or.jp/research/pdf/report/report30.pdf)
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再開発
赤坂プリンスホテルの跡地は西武プロパティーズにより再開発される。
紀尾井町周辺は、江戸城の外堀であった弁慶濠や江戸時代の大名屋敷跡を公園とした清水谷公園など、緑が数多く残り、高い歴史性を有する一方で、赤坂見附駅、永田町駅に近接し、地下鉄5路線が利用可能な交通利便に優れた希少な地域です。その希少性をさらに高め、地域の活性化に貢献するためにも、みどりと歴史に抱かれた「国際色豊かな複合市街地」を目指しています。
本計画では、ホテル・オフィス・商業施設からなるホテル・オフィス棟と住宅棟の建設を予定しており、「環境」「防災」「施設スペック」の充実を図り、サスティナブルな(持続可能な)魅力ある複合施設を目指します。(西武プロパティーズ ホームページより抜粋)
再開発では高層のオフィス+ホテルの建物が計画されている。
赤坂エリアの繁栄のためにも、以前の赤プリのクリスマスツリーを上回る日本一のクリスマスツリーがみられることをぜひ期待したい!