月別アーカイブ: 2013年11月

日本一巨大なクリスマスツリーは蘇るのか?

以前、紀尾井町にオフィスがあり、いつも赤坂見附駅から弁慶橋を渡って、赤プリ(赤坂プリンスホテル新館)の横を歩いて通っていた。年の瀬になると、赤プリの壁面が大きなクリスマス・ツリーになる。これは高さ100メートルになる日本一巨大な(と思う)クリスマスツリーだった。このクリスマスツリーは赤坂見附の象徴ともいえる風物詩だった。

赤プリクリスマス外観写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は赤坂経済新聞さんより http://akasaka.keizai.biz/headline/photo/406/

そのオフィスから移転して5,6年経つが、今年も時々紀尾井町方面に用事があったので解体が進む赤プリを横目で見る機会が多かった。

わずか30年の赤プリの生涯

赤プリ(新館)は1983年に開業し、2011年3月に閉館した。そして、今年建物としての30年間の生涯を終えた。40階建てのビルがだんだんと低くなっていく様子にその時は違和感を感じることもなかったが、よく考えるとどのようにしてビルがその形のまま地面に埋没するように消えていったのだろうか?(赤プリの解体工事は2012年11月から始まり、2013年7月に解体が完了した。)

「テコレップシステム」

その解体方法は「テコレップシステム」という大成建設独自の方法だった。

テコレップシステムの特徴

建物上部に既存躯体を利用して仮設のキャップをかぶせるように覆い、閉鎖された空間の中で上階から解体を進めていくことを最大の特徴としている。この仮設のキャップは、1フロア解体する毎にジャッキダウンする機能を持ち、足場の盛り替えのような高所危険作業が不要となり、安全に下階への解体に移行することができる。(出典:建築コスト管理研究所資料より www.ribc.or.jp/research/pdf/report/report30.pdf

この赤プリの解体工事はこれまでに行われた中では最も高いビルの解体で、解体の定点観測動画がYoutubeに掲載されている。

スローモーション録画-1

スローモーション録画-2

スローモーション録画-3

 再開発

赤坂プリンスホテルの跡地は西武プロパティーズにより再開発される。

紀尾井町周辺は、江戸城の外堀であった弁慶濠や江戸時代の大名屋敷跡を公園とした清水谷公園など、緑が数多く残り、高い歴史性を有する一方で、赤坂見附駅、永田町駅に近接し、地下鉄5路線が利用可能な交通利便に優れた希少な地域です。その希少性をさらに高め、地域の活性化に貢献するためにも、みどりと歴史に抱かれた「国際色豊かな複合市街地」を目指しています。
本計画では、ホテル・オフィス・商業施設からなるホテル・オフィス棟と住宅棟の建設を予定しており、「環境」「防災」「施設スペック」の充実を図り、サスティナブルな(持続可能な)魅力ある複合施設を目指します。(西武プロパティーズ ホームページより抜粋)

再開発のイメージ
再開発イメージ

 

 

 

 

 

 

 

再開発では高層のオフィス+ホテルの建物が計画されている。

赤坂エリアの繁栄のためにも、以前の赤プリのクリスマスツリーを上回る日本一のクリスマスツリーがみられることをぜひ期待したい!

 

 

 

 

キターーーー!!! たぶん、現時点で最強の傘!

昨日の夜、関東地方は暴風雨に見舞われた。都心を出る時にはなんともなかったが、自宅の駅ではすごい風と雨で傘も差せない状態だった。幸いフードつきのパーカを着ていたのでのフードをかぶって濡れながら歩いた。折り畳みだろうが、ロング傘だろうが、ビニ傘だろうが、昨日くらいの風があると間違いなく傘がひっくり返って骨が折れ、壊れる。そんなことを何度も経験してきた。

破れ傘

 

 

 

 

 

 

破れ傘2

 

 

 

 

 

 

 

 

上の写真はロンドンのものらしいが、困っていたのは僕だけではなかった。(当たり前だが)

そこで、検索してみるといろいろな突風対策アイディア傘がある。

 SENZ(センズ) 傘 スマート スティック

従来の傘の概念を覆す斬新なデザインで、傘のセンターに軸がなく、風の中でベストな位置に傘が動き、一般の傘が裏返るほどの強風の中でも風自体をいなしてくれるらしい。

senz

 

 

 

 

 

 

 

 

 

BLUNT(ブラント)アンブレラ

傘の弱点と言える構造を根底から徹底的に見直し、従来の傘では実現出来なかった傘生地の裾部分での「完璧なテンション」により、強風にも耐えうる驚異的な耐風性を実現した。とのこと。

骨の構造も普通の傘とは異なるようだ。

BLUNZ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この他にも、

  • 二重構造で風を逃がすもの
  • 骨組が多く、丈夫で裏返りにくいもの
  • 傘がお猪口になっても元に戻るもの
  • 傘というより球体の中に上半身を突っ込む仕様のもの

などがある。これらについても、以下のまとめでチェックできる。
(出典:NAVER まとめ「台風なんて怖くない!強風に強いアイデア傘まとめ!」

さて、そんな中で最強と思われる傘が出現したようだ。

UnBRELLA( Upside Down Umbrella)

この傘の特徴は

  1. たたむと逆さの形状の傘になっている。
  2. これならお猪口になっても関係ない。
  3. たたんだ傘が自立する
  4. たたむと濡れた面が内側になるので人に迷惑をかけない

である。

自立傘

 

 

 

 

 

 

 

これだけの傘の不便さを一挙に解消した商品に大きな拍手を送りたい。

そして、現時点で最強の傘と断定したい。

 

このUmbrellaはアッシュコンセプトという日本の企業が開発したものだ。

同社のWEBページには他にもアイデア商品がたくさんある。

◎カップラーメンのふたを押さえるカップメン
CUPMEN

 

 

 

◎箸置きのいらない箸
UKIHASHI

ちょっとファンになりました。

「100年コート」は「バーバリー」を超えるか!

三陽商会が「100年コート」を発売した。

http://www.sanyo-shokai.co.jp/timelesswork/index.html 100年コートイラスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは同社の70周年の事業タグライン「Timeless work ほんとうによいものをつくろう」というプロジェクトのもとに展開されている製品だ。「ほんとうによいもの=長く引き継げるもの、引き継ぐ価値のあるもの」として、三陽商会のオリジンでもある「SANYO」ブランドのコートで、その価値を体験する製品とソフトウエアを提供する試みだ。

上記のページで展開しているミニムービーは「おばあちゃんのコート」を引き継いだ主人公の三陽商会社員の女性が「孫に残せるコート」を作るというストーリーでアパレルメーカーの一端(社内)を覗き見た気になれるもので、ちょっと面白い。(まあ、必見とまでは言いませんが)

親子代々「100年引き継ぐ」というものはなかなか洋服では見つけることができない。ほかの商品ならば、親から引き継ぐ「家」「時計」「和服」「宝石」「骨董・古書」などがあるだろう。しかし、洋服はそれほどの耐久性を持っていないことと、サイズの融通性が低く、これまでは引き継ぐアイテムとしては検討されてこなかった。 そのような「引き継ぐ」ことを阻害する要因を解消するソフトプログラムとして≪「100年コート」100年オーナープラン≫がある。この100年オーナープランは、メンテナンス、直し・修理の相談、情報発信の3つからなり、商品とともにお客様に届けられる。

【100年オーナープラン】 100年コートオーナープラン

「お客様とSANYOのつながりを紡ぐ会員システム」

これは何だろうか。100年オーナープランのようなものでつながろうということなのか。 「100年コート」はブランディング・プログラムのはずだ。せっかくのブランドを「システム」という名称のつくもので顧客とつなげてはいけない。本来、ハートと体験と、人(対面接客)でつながるべきだろう。もう少しのところまで来ているが、「システム」というワード1つで台無しになっている感じがある。

なぜ、三陽商会はお客とつながろうとしているのか?

三陽商会は英国バーバリーとライセンス契約して国内で「バーバリー・ブランド」のコートを販売している。その売り上げは三陽商会全体の中でかなりの額になることは想像に難くない。そのバーバリーとのライセンス契約があと2年くらいで更新になるらしい。本家バーバリーの展開としてはコートを直営オンリーで扱うブランディングをしたいはずだ。すると、このライセンス契約は更新されるかどうかちょっと危険な気がする。もちろん、そこを見越しての「100年コート」だろう。 個人的には三陽商会の「SANYOコート」の品質やブランド・イメージは好きだし、もっと評価されてもいいと思っている。しかし、マーケットで「SANYO vs.  Burberry」とした時には残念ながら「Burberry」に軍配が上がる。あえて言えばその勝敗を決するのは顧客がつながっていたいと思う「ブランドなのかどうか」ということだろうか。

「100年コート」のコンセプトと品質、そしてソフトウエアで「Burberry」のトレンチコートの持つ歴史とブランドに挑戦する。

現在用意されている商品とソフトだけでなく、時間をかけても一つ一つ積み重ねていくことに挑戦する価値が生まれ、勝ち取る可能性が出てくるのではないだろうか。

11月19日は「世界トイレの日」

「世界トイレの日」を知っていますか?

 2013年7月24日、国連は毎年11月19日を「世界トイレの日」(World Toilet Day)と定めた。トイレのない場所で用を足さざるを得ない人々を減らし、衛生環境を向上させるのが狙いだ。

国連などによれば、適切なトイレがあれば毎年20万人の子どもの命が救える。世界で25億人がトイレにアクセスできず、11億人が野外での排泄を余儀なくされている。うち6割はインドに集中する。世界最大の民主主義国家がトイレ問題の中心にいる。

出典:朝日新聞(ザ・コラム)世界トイレの日 インドを変える脱・野外

携帯電話は使えても、トイレを使えない国

 世界保健機関(WHO)によると、推定で6億2500万人のインド人が屋内トイレを利用できずにいる。インド政府の国勢調査によると、インド人の53.2%は携帯電話を持っているが、その一方で、トイレ付の家に住んでいるのは46.9%と半分を下回る。

出典:ニューデリー CNN

トイレがない家を想像できない。電話がなくてもトイレの方が大事だろ!

インドでは、トイレを望む人がたくさんいる一方で、野外で用を足した方が開放感があってよいとする人が多くいるらしいが、そんな強がりは強がりでしかない。

ユニセフも「世界トイレの日」プロジェクトとしてWEBサイトを開設している。
http://worldtoiletday.jp/

その中で以下のような数値をもとにトイレ設置の必要性を訴えている。

1、世界で3人に1人はトイレを使えない
2、世界で11億人が野外で排泄している
3、トイレ外で出されるウンチを原因とした下痢により1日に1600人の幼児が死亡している
4、トイレは人間の尊厳を守る(人に見られる危惧なく排便できる)

ユニセフの「世界トイレの日」キャラクターはミスター・プー
Poo

 

 

 

 

 

ミスター・プーによる「トイレ取りゲーム」

ミスター・プーは3人、トイレは2つ。ひとりはトイレに座れない。

3人のPoo

 

 

また、ユニセフは「世界トイレの日」に合わせて東京立川の昭和記念公園に「見えないトイレ」を設置する。

3つの扉

 

 

 

 

 

 

 

トイレの3つの扉のうち、まんなかの扉を開けても便器がない。そこには「トイレがあるのは当たり前だと思っていませんか?』のメッセージ。が置かれている。

日本は トイレ先進国? トイレ後進国?

日本の水洗トイレ普及率はどの程度か。

水洗トイレは下水道普及率で置き換えてとらえることができる。そこで各国の下水道普及率をみると、日本は決して普及率は高くない。(2008年時点で78%)オランダなどはほぼ100%に近い普及率だ。日本の都市部では水洗トイレはもはや当たり前といえるが、田舎に行ったときはまだまだ下水施設が整備されていないことも多い。
下水道普及率

 

洗浄便座の開発・普及により、日本のトイレ事情は欧米よりも進んでいるような感じがしていたが、全国でみるとまずは下水の普及を進めることが必要な状況であった。

いずれにしても、11月19日だけは

トイレのない生活を想像できない幸せを感じないといけない。

What’s L’OCCITANE

「L’OCCITANE」は日本の主要都市に100店舗を展開する“自然派化粧品”ブランド。

ロクシタンは当初アパレル出身の雑貨リテイル企業が店舗展開をしていたが、日本子会社を作って再参入する際に少し関わったのでその後の動向が気になっていた。ロクシタン・ジャポンは1998年に日本市場に再参入する際に青山通り表参道交差点近くに1号店を路面で出店した。その後は百貨店、駅ビルなどの大型商業施設にロケーション展開をして行くことになる。それから15年経つ訳だが、その間で100店舗展開、売上で約300億円の事業規模に急成長した。
この10月に新宿に旗艦店がオープンしたので、ブランドの特徴をまとめておこう。
(以下は新宿店「Voyage en Provence(ヴォヤージュ・アン・プロヴァンス)」外観)
2013-11-07 15.41.15 (2)

ロクシタン・ショップの特徴

 化粧品と言ってもライフスタイルショップに近く、スキンケア、フレグランス、バス&ボディ、ヘアケアなどのMD構成となっている。

プライスゾーンは2,000円~5,000円と中間価格帯が中心となっており、決して安いわけではない。ちょっと高いが 買えない値段ではなく、買いたくなる値段といえる。しかし、この価格帯は競合ブランドは多い。その中で「ロクシタン」は品質感とそのブランド・ストーリーにより独自の価値を生み出しているようだ。

ロクシタンを象徴する数字

1)粗利益利率が82%

化粧品業界は基本的に粗利益率が高い(=原価率が低い)のが特徴だが、ロクシタンの原価18%はかなり低い部類に入る。(資料はロクシタン・インターナショナルのアニュアルレポートより)
収益構造

2)世界中で「日本」が一番売れている

ロクシタンの世界売上は1,043百万ユーロ。
日本がその21%を占めて1位。次いで、アメリカ、香港、フランス、中国の順。
国別実績

3)世界で1,200店舗、日本で100店

日本は2012年度で10店出店して、計100店に。今後は中国、ロシアが成長拠点。
国別店舗数

4)バランスの取れたMD

カテゴリに偏らない商品を持つことで、季節・ライフスタイル・消費性向に合わせた店頭展開が可能となっている。

ヘアケア                           26
ボディーケア                    25
スキンケア                        24
その他フレグランス        25

 ロクシタン・ジャポンのブランディング&プロモーション戦略

ロクシタン・ジャポンの鷹野社長の講演によるとブランディング&プロモーション戦略の特徴として以下を上げている。

1、雑誌広告をしない
2、店舗をショウルーム・販促拠点に
3、ユニークな広報・参加型プレスイベント
4、頻繁なプロモーションイベント(新製品導入)
5、フランスらしさの導入(店舗インテリア)

化粧品は基本的に雑誌広告を中心にプロモーション展開することが多いが、ロクシタンは店舗・店頭を中心にハンズオン型のコミュニケーションを行い、差別化している。

物語がブランド・バックグラウンド

ロクシタンの始まりは以下のような物語「A True Story」として伝えられている。

”古い蒸留器を購入し、野生のローズマリーからエッセンシャルオイルを精製しました。この植物原料だけで作られたエッセンシャルオイルを地元のマルシェで販売したところ、村人たちにたちまち受け入れられました。これがロクシタンのはじまりです。”(ロクシタンWEBサイトより)

(以下は新宿店に展示されている蒸留器)

2013-11-07 15.51.32

 この蒸留器で作り始めた自然素材由来の伝統的な製法を今でも引継ぎ、フランスの香りとプロバンスの風景をイメージさせるロクシタンは日本においても欠かせないフランスを代表するブランドになったようだ。

最後にロクシタンとは

「南仏オキシタニア地方の女性」

という意味だ。(ちなみに男性は「ロクシトン」と呼ぶらしい)

マクネアの環

小売業の段階的成長モデルの1つに「マクネアの小売りの環(輪)」がある。

1957年に発表されたらしいのですでに半世紀以上前の理論だが、小売りに限らずさまざまケースに応用もでき、納得性の高いモデルなので一度メモしておこう。

「マクネアの環」

(1)  小売業において、最初の参入事業者は既存事業者と価格で競争することで優位に立ち、顧客を獲得していく。そのために商品の本質価値にフォーカスを当て、付加サービスを抑えたり、店舗や販売員などの販管費を抑え、低価格訴求構造を築く。

(2)  競合する事業者が増加してくると既存業者や次に参入してくる事業者は価格政策ではなく、サービスの充実や品揃えの拡大などの付加価値政策を前面に出して競争する。当初は低かった販管費が高くなり、それに伴って販売価格帯も上がっていく。そして、低コスト経営から高コスト経営へと変化していく。

(3)  上記(2)の動きが繰り返される中で、革新的な参入事業者はビジネスモデルを変えて、再度低価格を訴求できる業態で参入してくる。

(4)  小売業は上記のようなサイクル(環)を同一業態の中で行うとともに業態を超えたサイクル(革新)を起こすことで自らの市場を常に活性させていく。

これを概念図で表すと次のようになる。

マクネアの環

マクネアは百貨店、バラエティ・スト、やスーパーマーケットなどのチェーンストア、ディスカウント・ストアなどの小売形態の革新がこのモデルに当てはまるとしているが、その中でコンビニエンスストアは異なる動きをしている。(一連の成長モデルとは違う直線(グラフ)になっている。)

このコンビニエンスストアの誕生は、その基本価値である「コンビニエンス性」が高く受容されたためといわれている。(価格政策をとる必要がないほど)

最近ではコンビニエンスストアも国内においてかなり飽和度を高めてきており、商品MDの幅もひろがり、サービス商品の導入も進んで成熟化している。一部には100円コンビニエンスなどの価格訴求業態も出始めているが、まだその支持率は低いようだ。

コンビニエンスストアの客単価の推移をみるとここ数年は上昇基調になっている。(日本フランチャイズチェーン協会データ)

2008年  591円
2009年  579円
2010年  577円
2011年  605円
2012年  607円

これはマクネアの環のモデルで考えると今後もコンビニエンスストア業態の中での付加価値化が続いていくことを示していることになる。つまり、「コンビニエンス性」というコア価値は現在もまだまだ高く受け入れられており、それを革新するようなコンセプトは求められていないことになる。そのため、現在の各コンビニチェーンは商品の価値を高め(例えば、PB開発)、コンビニエンス性の強化(例えば、駐車場の大型化)などを進めている。

新しいマクネアの環を作り始めているコンビニエンスストアだが、いつからコンビニエンスストアの革新は始まるのだろうか。