昨年後半あたりから、マクドナルドは復活した、などの記事やコメントを見かけるようになった。実際、数字を見ても昨年は2年連続の赤字を乗り越えて再び黒字を迎えられそうだ。
最近、マクドナルドの店舗を利用していると、ピークタイムは顧客で店内があふれていることが多い。
住宅街の平日・昼間なら、幼児を連れた若い主婦、休日はファミリー、中高校生が多く、ビジネス街ではビジネスマン、OL、と、それぞれの立地にふさわしいマス顧客を確実に獲得しているようだ。
マクドナルド衰退の経緯を見てみよう。
2014年3月 原田氏 社長退任
2014年3月 カサノバ氏 社長就任
2014年11月 中国で期限切れ鶏肉問題発生
2015年1月 異物混入発生
2015年4月 ビジネスリカバリープラン発表
2016年7月 「ポケモンGO」とコラボ展開
・マクドナルドは実は原田社長時代に既にダウントレンドに入っており、FC化の推進によって増益だけは確保してきていた。つまり、鶏肉問題などの一連のトラブルが売上低下の原因ではなく、震災以降の消費マインドの冷え込みを見誤ったなどと言われていた。
起死回生を担う「ビジネスリカバリープラン」とは以下のような内容で、とても、ベーシックなものだった。
(1)よりお客様にフォーカスしたアクション
・メニュー改訂
・クーポンアプリ
・お客様とのつながり
(2)店舗投資の加速
(3)地域特化型ビジネスモデル
(4)コストと資源効率の改善
これらを一言でいえば、「お客様本位になろう」というものだろう。
<そして、成功の要因は>
自らの客は「大衆」であり、「フォロワー」であるということを再認識した施策が功を奏している
・顧客は大衆なので、安全・安心情報をわかりやすく「わたくしごと」にして発信した
→ 人のうわさも75日で徐々にマイナスは減っていった
→ 品質に対する心配やアレルギー問題などをわかりやすくコミュニケーションした
→ 安全・安心に関心の高い人から情報が伝わるようなしくみを作ったことで、フォロワーであるお客様の信頼性が回復した
・顧客はフォロワーで、「ハンバーガー好き」というわけではなかった
→ メニューは構造がわかりやすく、オーダーしやすくなった
→ 基本価値である食べることの価値が鮮明になった
→ おいしさ・味は大きく変わらなくとも問題ない
(もともと不味くはないし、味でマクドナルドを選んでいるわけではない)
→ 「高いなあ」という声がなくなった → メニューのコストパフォーマンスが高い
→ 今、何が売り物なのかがわかる
・顧客は「サイレント・マジョリティ」、自ら意見は言わない
→ カサノバ社長が自ら顧客インタビューをしたり、アプリを使って顧客の声を集めている
→ KODOというアプリの効果は疑問符だが、企業が行うヒアリングは有効だ。
→ 特に、マクドナルドに来なくなったお客様を集めてその理由を聞いているのはとても良いことだ。
店に来ている客に聞いてもマクドナルドに行かない理由はわからない。
→ ここまではほかの企業ではなかなか行っていない