マーケティングの2つの大きなダイレクション

マーケティングは、マスプロダクション&マスセールスを前提として発展してきた。その中でターゲット策定が最も大切なことであるとは何回か話してきた。では、ターゲット策定アプローチにより、どのような違いがでるのだろうか。そこには、次の3つのアプローチがある。

  1. マス・マーケティング

    標的市場全体に対して、一つのメッセージでアプローチしたり、統一したマーケティング施策を展開

  2. セグメント・マーケティング

    デモグラフィック基準や共通する選好やニーズ、価値観、購買行動などの基準で標的市場を分割し、それぞれの市場に対して異なる施策を展開

  3. 個客マーケティング(ダイレクト・マーケティング)

    ダイレクト・マーケティング、ワン・トゥ・ワン・マーケティングとも言う。特定の固有名詞付きのお客様に買ってもらうためのマーケティングを展開

それを表したのが以下の図である。基本的に同じ方向から「販売」というゴールに向いているような図である。

ダイレクトマーケ①

 

 

 

 

 

 

 

単純にターゲットのサイズで並べると上記のようになるが、マス・マーケティングおよびセグメント・マーケティングと個客マーケティングはそのコンセプトがほぼ正反対と言えるくらい異なる。(下図参照)ダイレクトマーケ②

 

 

 

 

 

ここでは、「マス・マーケティング」と「セグメント・マーケティング」は「販売」という最終目標に対して基本的に同じ方向を向いているが、「個客マーケティング(ダイレクト・マーケティング)」は全く逆の方向から「販売」にアプローチしている。この2つのダイレクション(方向性)を比較してみる。

 

                               マス・マーケティング                 個客マーケティング
コンセプト                  商品を売る                                人が買う
KGI                          売上の獲得                                LTV(生涯顧客価値)の最大化
KPI                           マーケット・シェア                     マインド・シェア
KPI                          アクイジション                          リピート率
グルーピング             全体の分割                              個体の集合
差別化                       機能                                      ベネフィット

 

以上のような違いを端的に言えば、「個客」は「マス→セグメント」の延長にはいない。

「個客」の「個客」たる所以は、固有名詞が付いていることだ。

この2つの違いがわからない場合はきっと何かを誤解している。そして、誤解している人は思いのほか多い。一度、自己診断してほしい。

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